この分娩台、いやだな。。ああ、いやだな。。。と思ったこと私が助産師になりたてのころのお話を少し。 私が初めて就職した施設には、普通の分娩台が2台ありました。 そのうちの1台は座産用。もちろん倒せば普通の分娩台です。 でも、とてもとてもイヤだったのは足を固定する足台があったこと。 足を屈曲させて、ベルトで固定するアレです。 『なんでこんなので足を固定しなくちゃいけないの』 私は、その分娩台に、とても抵抗を感じました。 その頃、私はまだお産を経験したことはありませんでした。 『こういう台でお産したくないな。。イヤだな。。。』 と強く思いました。 だから私は、新米のくせに、足だけは固定しませんでした(^^;; それから、ずっと仰向けの状態でいると、腰が痛くなってきますね。 「横を向きたい・・・」と産婦さんが懇願しても、たいていは 「もう少しだから、我慢してね」なんて言われてしまう。 仰向けの体勢を取ったら、清潔な敷物を一面にしきます。 横向きになったり、また仰向けになったりと、幾度も体勢を換えていると、その清潔な敷物が汚れてしまう。 それに横向きのままでお産が進んでしまったら、 なれない体勢ではお産を取り上げにくい。 一旦仰向けになったら横向きをさせないのは、 こんな理由からなんでしょうね。 (もちろん、今の施設でも、仰向けのお産はありますよ。 赤ちゃんに危険が迫っていると判断した時です) 最初の頃は、私も「ごめんなさいね。でも、横は向けないんですょ」 と、言い訳をしながらお産をすすめていたものです。 だって、横には怖い師長が控えていましたからね。。 今思うと、知らないこととはいえ、産婦さんにはずいぶんと辛い思いを させてしまったものだと、つくづく思います。 ここで自然なお産を取り入れてから、数年が経ちますが、 今あの頃のことを思い出すにつけて、今の仲間と仕事が出来ることに 心から感謝する日々です。 だから、たいていの病院のHPで(絶対にヒンシュクをかいますね^^;) ここが分娩室です!! なんて、たいそうな分娩台を写真に載せているのをみると、 「それがなんだっていうのよ!!」 なんてね、つい皮肉った気持ちでみてしまいます。 産婦さんが主体となって産むお産に、りっぱな分娩台は必須のアイテム ではないなと、私は思うからです。 どういう形で産むか、それは産婦さんが決めることであって、医療者側が ある特定の形を強いるものではないと思うのです。 分娩台よ、さようなら こんな本があります。 分娩台でのお産を体験して、疑問を感じた著者が、 お産後医者を目指し、産科医となり、書いた本です。 読んでみるといいですよ。 一般の方にもですが、助産師、ドクターにも読んでほしいなと思います。 |