228252 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ぶきっちょママのぼのぼのな暮らし

ぶきっちょママのぼのぼのな暮らし

この分娩台、いやだな。。

ああ、いやだな。。。と思ったこと

私が助産師になりたてのころのお話を少し。

私が初めて就職した施設には、普通の分娩台が2台ありました。
そのうちの1台は座産用。もちろん倒せば普通の分娩台です。

でも、とてもとてもイヤだったのは足を固定する足台があったこと。
足を屈曲させて、ベルトで固定するアレです。
『なんでこんなので足を固定しなくちゃいけないの』

私は、その分娩台に、とても抵抗を感じました。

その頃、私はまだお産を経験したことはありませんでした。
『こういう台でお産したくないな。。イヤだな。。。』
と強く思いました。

だから私は、新米のくせに、足だけは固定しませんでした(^^;;

それから、ずっと仰向けの状態でいると、腰が痛くなってきますね。
「横を向きたい・・・」と産婦さんが懇願しても、たいていは
「もう少しだから、我慢してね」なんて言われてしまう。

仰向けの体勢を取ったら、清潔な敷物を一面にしきます。
横向きになったり、また仰向けになったりと、幾度も体勢を換えていると、その清潔な敷物が汚れてしまう。
それに横向きのままでお産が進んでしまったら、
なれない体勢ではお産を取り上げにくい。

一旦仰向けになったら横向きをさせないのは、
こんな理由からなんでしょうね。

(もちろん、今の施設でも、仰向けのお産はありますよ。
赤ちゃんに危険が迫っていると判断した時です)


最初の頃は、私も「ごめんなさいね。でも、横は向けないんですょ」
と、言い訳をしながらお産をすすめていたものです。
だって、横には怖い師長が控えていましたからね。。

今思うと、知らないこととはいえ、産婦さんにはずいぶんと辛い思いを
させてしまったものだと、つくづく思います。


ここで自然なお産を取り入れてから、数年が経ちますが、
今あの頃のことを思い出すにつけて、今の仲間と仕事が出来ることに
心から感謝する日々です。

だから、たいていの病院のHPで(絶対にヒンシュクをかいますね^^;)

ここが分娩室です!!

なんて、たいそうな分娩台を写真に載せているのをみると、

「それがなんだっていうのよ!!」

なんてね、つい皮肉った気持ちでみてしまいます。

産婦さんが主体となって産むお産に、りっぱな分娩台は必須のアイテム
ではないなと、私は思うからです。

どういう形で産むか、それは産婦さんが決めることであって、医療者側が
ある特定の形を強いるものではないと思うのです。






分娩台よ、さようなら

こんな本があります。

分娩台でのお産を体験して、疑問を感じた著者が、
お産後医者を目指し、産科医となり、書いた本です。

読んでみるといいですよ。

一般の方にもですが、助産師、ドクターにも読んでほしいなと思います。





© Rakuten Group, Inc.